あの空の彼方に

長い間封印していた想いが突然復活してしまった、、。消し忘れた想いについて、こっそり書き留めるブログです。(逢瀬記録などは、一定期間後随時非公開にしますのでご了承ください。)

お盆過ぎの逢瀬④

お参りの後は、いつも行くT蕎麦へ向かった。


その途中、彼が、彼の教会の共同墓地のすぐそばに連れて行ってくれた。
「あそこの墓地が、教会の共同墓地だよ。」って、指さして教えてくれた。


そ、それは、いつかもし彼が先に逝ってしまった時にお参りできるように教えてくれたのかな。確かに、いつどうなるかわからない年齢になってきたものね。
彼に車で連れてきてもらっただけだから、自分で見つけられるはちょっと自信ないけれど。でもだいたいの場所はわかったし、もし万一そういう事があった時、なんとか教会に問い合わせるなりしてお参りに来る事はできるかも、、なんてね。
そんな日は決してきてほしくないけれど。でも、お墓の場所を教えてもらえたのは、なんだかね、心にしみる出来事だった。
「お母さんと2人だからね。お母さんより先には逝けないでしょ。私も。私も母をちゃんと看取るまでは逝けないよ。だから、私たち、身体には気をつけて、しっかり介護できるように頑張らないとね。」って。車の中でそんな話をした。

そして、私たちの定番、T蕎麦に到着。なんと、まだ12時前、平日だというのに、お店はいっぱい。駐車場もギリギリ最後の一台だった。お店は待ってる人が数組いた。
受付表に彼の名前を書いてしばらく待っていた。
年配のお客さんたちが、椅子席じゃないと無理って事で、お座敷でもOKな私たちは意外と早めに案内された。よかった。
彼はざるそば、私はおろし蕎麦。やっぱりT蕎麦、美味しいなあ。
そして、スミレーヌ様のごとく、私も食べる彼を観察。そうなんだよね~。彼の食べる姿も、なんだか素敵なんだよね。もぐもぐするお口もなんだか良い!食べ方がきれいな人ってやっぱり良いわ。スミレ彼さんもきっと一緒だと思うけど、彼もきれいに食べるの。そこがなんだか素敵。


一緒に楽しくお昼を食べたら、そろそろお別れ時間。本当は、もうちょっとゆっくりしたいんだけどな。でも、いろんな話する事ができて良かった。


いつものO駅まで送ってもらって、手を振って別れた。今年はもうこれが最後かなあ、、って思うけど。会えて本当に嬉しかった。何度も振り返って彼に手を振ったけど、ちょうどその時土砂降りの雨が降ってきた。
私のかわりに空が泣いてくれてたのかも、、。
でもね、笑顔で手を振ったの。逢えたことがただただ嬉しかった。
あと何回逢えるかわからないけど、その一回一回をただ大切にしたいな。


あともう一回だけ、エピローグに続きます。

お盆過ぎの逢瀬③

ようやくK駅に到着。慌てて、彼に電話した。
「なるです。やっとK駅に着いたよ~。これから乗り換えてKT駅に行くね。」
と言うと。
「大変やったなあ。KT駅で待ってるからね。」と彼。


良かった、やっと会える。彼に逢える。
乗り換え電車に乗って、彼といつも待ち合わせる駅も通り越して、彼の待つKT駅へ。


KT駅は、一度だけ彼と待ち合わせした事があるんだけど、ここのところずっとO駅だったから、彼の車がどのあたりに止まってるかわからなくてキョロキョロ。
彼の車と反対方向をキョロキョロ探しちゃった。
慌てて彼は車を降りて、こっちに手を振ってくれた。
あ、あそこだ。


本当、慌てると大ボケな私。彼に駆け寄って、思わず彼の腕をつかんじゃった。
気分は抱きつきたい気分だったけど、そこまでの勇気はないので、せめて腕をつかんだ。
それだけで十分気持ちは伝わった、、かな。

ドアを開けてくれて、やっと彼との楽しいドライブタイムが始まった。


「どうする?時間があんまり無いからS寺はやめとく?前を通るだけにする?」って彼が聞いてくれた。
「実家に帰る時間も1時間遅らせることにしたから、大丈夫。せっかくだからS寺に行きたいよ~。」って話たら、彼、車でS寺まで連れて行ってくれた。

これが、風鈴参道。ここって台風の時この風鈴はどうしたんだろうねえ、、なんて。おしゃべりしつつ彼と参道を登っていった。

穏やかな風なので、チリンチリンと優しい音。なんだか可愛い、きれいな風鈴の音。なんだかすごく気分が良い。さっきまでのイライラやクヨクヨする気持ちを洗い流してくれる感じ。

お寺の本堂まで上がってお参り、、って思ったけど。さすがに時間の余裕がなくてあきらめた。それでもこの風景を眺めつつ、ゆっくり彼といろんなおしゃべりをしながら散歩できたのはすごく楽しかった。
そう、こんな風にただ、一緒に同じ風景を眺めながら、いろんな話をして、お互いの話を聞くのがすごく幸せな時間だ。
ただのお友達だけど、とってもとっても大事なお友達。この時間を一緒に過ごせるのが、それだけですごく幸せだ。


本当に来れて良かった。新幹線の遅れが1時間ですんで助かった。


つづきます。

お盆過ぎの逢瀬②

いよいよ逢瀬の当日。


彼との時間をちょっとでも長く取りたい私は、いつもほぼ始発の新幹線を予約している。その日も始発から2本目の新幹線を予約していた。


朝、早起きしてまだ暗い中支度していて、運行情報を念のため確認したら。なんと、すでに数本の運休が決まっていた。え?お天気は大丈夫なのになんで???
と思いつつも、私自身の予約していた新幹線は運休になっていないので、とにかくササッと支度して駅に向かった。


駅は、いつもならば、もうお盆も過ぎての時期だし、始発頃の時間帯はまだまだ人出が少ないはずなのに。さすがに一昨日と昨日の影響が大きかったのか、人が多い。駅もホームもざわついている。ちゃんと新幹線が発車してくれるのか、ドキドキしながら待っていた。


私の乗る予定の新幹線がしっかりホームに入ってきた。入ってきたんだけど、ドアが開かなくて乗れない。どうやら乗務員の手配ができず、発車が遅れているらしい。
ええ、、、そんなこと、、、なんで私のこんな大事な日にこんな事に、、、と。ショックでめまいがしそうだった。


ただ、幸い、10分ほど遅れただけで、ちゃんと乗車できて、新幹線は無事に発車した。
ふ~っとため息。
彼に「今のところ10分遅れくらいで新幹線運行しています。
なんとかこの調子で行ってくれれば○時×分にはO駅につけるのではないかと。
いろいろすみませんが、どうかよろしくお願いします。」
とメールした。
彼に会ったら何を話そう。どんな話題が良いかな、、なんてワクワクドキドキ。会ってからの事をシミュレーションしながらいろいろ考えていた。


ところが!
順調に走っていたはずの新幹線がとある場所でパタッと止まってしまった!
「申し訳ありませんが、信号が赤のため停車しました。状況がわかり次第アナウンスします。」と、アナウンスがあったけど、これは絶対まずいパターン。
このままずっと止まってしまうかも。


もしかしたら、彼が家を出てしまうかもしれない。どうしよう、、。
と思って、大慌てで席を立って、デッキへ移動。彼の携帯に電話してみた。
どうしよう、、電話に出ない!もう家を出ちゃったのかな。
とオロオロしてたら、すぐに彼から折り返し電話があった。


「どうした??」って。彼の声を聞いたら、ますますダメになっちゃう私、半ベソかきながら彼に言った。
「どうしよう~。どうしよう。あのね、あのね、新幹線止まっちゃってん。いつ発車するかわかんないよ~。どうしよう。」って。彼に言ってたら思わず涙が、、。
だって、ずっと待ってて、会いたくて、やっと会えるって思ったのに、新幹線がいつ動くかわかんないなんて、、。あまりにも神様が意地悪すぎる!!
「このまま新幹線止まったままだったらどうしよう、、。」って半ベソの私に、彼は「落ち着いて。まだ家を出てないし、待ってるから。」って。言ってくれた。


それで、なんとかふたりで相談して、そんなに長時間のストップでなければ、K駅を降りたところで私から彼に電話する事にした。そして、いつも待ち合わせしている駅ではなく、もう少し彼の自宅寄りの駅まで私が電車で行くことにした。
「KT駅ならすぐ行けるから。家から近いから。」って。半ベソ&おろおろしてプチパニックの私を、彼は励ましてくれた。
そう、動くはず。今日はどこも大雨ってわけじゃない。なんとかきっと動いてくれれば、、。


彼と逢えるなんて、年に2回か3回くらいしかチャンスがない。しかも数時間。その貴重な時間、一分一秒だって惜しいのに、こうやって削られるなんて本当に悔しい。神様は意地悪だ。


いろいろクヨクヨ考えつつ、席に座ってじりじりしていると、、やったあ!動き出した!!!
結局1時間止まっていたけど、1時間後になんとか動き出してくれた。貴重な1時間を削られて本当に悔しいけど、でもまあ、1時間ならまだ許せる範囲かな。なんとか実家に帰る時間も後ろにずらしてもらう事にしよう。


「ご迷惑かけてすみません。
なんとか今動き出しました。このままなんとか順調にK駅まで行ってほしいです。
K駅に着いたら電話しますね。」と彼にメールした。


1時間ストップしていた新幹線だったけど、その後は順調に動いてくれて、ようやくK駅に到着した。


つづきます。